2020年7月「フランス12ヶ月の行事と遊びのクロスステッチ」という日本語版の図案集が発売されました。
大人気のフランスの作家ヴェロニク・アンジャンジェさんの図案集です。
発売されるということを聞いてから、それはそれは楽しみにしていました。
私の元に届いてから数日、何度も読み、小さなモチーフを一つ作りました。
クロスステッチファンをはじめ、かわいいもの好きな方、針を持たない方等、広く読める内容だったので、ご紹介したいと思います。
フランス12ヶ月の行事と遊びのクロスステッチ
2020年7月発売
著者:ヴェロニク・アンジャンジェ
監修:安田由美子
翻訳:柴田里芽
発行:グラフィック社
価格:1,800円(税別)
充実した内容
人気の「フランスのクロスステッチシリーズ」の新作です。
Veronique Enginger(ヴェロニク アンジャンジエ)さんの425点のモチーフが収録されています。
洋書に比べて、日本版は手にしやすい価格となっていますが、内容は充実しています。少しご紹介していきたいと思います。
洋書2冊をまとめた日本語版
「フランス12ヶ月の行事と遊びのクロスステッチ」は、フランスで2013年に発売された「Mon imagier rétro」と2019年に発売された「Fêtes et régions de France」2019年発売この2冊が、日本版として1冊にまとめられています。
2冊分を全部掲載することは不可能なので、内容を厳選されているようです。
それでも、全部で425点の可愛い図案が収録されています。
読んでも眺めても作っても楽しい
二部構成になっていて、第1章は「お祝いごとのクロスステッチ」第2章は「昔なつかしい遊びのクロスステッチ」です。
第1章は、Fêtes et régions de France収録分で、フランスのお祝い事のデザインです。
それぞれの行事の説明と作品、図案の組み合わせとなっています。
第2章は、絶版となっている左側「Mon imagier rétro」の本からの編集です。
アルファベットとイラストを組み合わせた図案は、全て収録されていました。
アルファベットそれぞれの文字から始まるイラストが、センス良くデザインされています。
例えば「G」だと「Glace」(グラス)、アイスクリームのモチーフが載っています。
第1章、第2章とも、ページ毎にデザインにまつわる説明が入っていて、針を持たない方も楽しめる本となっています。
フランスで発売された本は、当然、フランス語です。
フランス語が全く分からない私は、フランスで出版された本の文章は、翻訳機能を使ってみましたが、それほど理解できていませんでした。
今回の日本語版では、デザイン中のフランス語も日本語訳がついていて分かりやすく編集されていて、読み応えもあり楽しめる範囲が広がっています。
ヴェロニク・アンジャンジェさんインタビュー
この本の注目の部分は何と言っても、Veronique Enginger(ヴェロニク アンジャンジエ)さんの、特別インタビュー記事です。
ものづくりの背景、大切にされていること、想い等が伝わってくる記事となっていました。
作者のことや、作品を作る時のことを知ることができると、図案を見ながら作った作品に、さらに愛着が湧いてきますね。
細かく糸が変わっていったり、バックステッチの話は、クロスステッチをする人でないと理解し難いマニアな話です。
最後まで、興味深く読ませていただきました。
図案・チャート
カラーで表示。
糸は、DMC。
第1章は、作品写真の後に、まとめて図案のページ。
第2章は、見開きで、左側に作品写真、右側に図案。
このようになっています。
見開きで、写真と図案が並んでいるのは、二つを見比べながら図案を選んだりステッチをすることができるので使いやすく感じました。
バックステッチの部分の色が似ていて、どの糸を使っているのか悩むところには、図案に追記がされているのもありがたいです。
図案に関しては、日本版として編集される時に、細かくチェックされているので、洋書のような表記ミスがなく、使いやすくなっているようです。
そして、最後のページに「目数と出来上がりサイズ早見表」がついています。
どれだけの生地が必要なのか?すぐに算出できて便利で、私もよく使っています。
使い方はいろいろ
本が届いてから、すぐに何かを作りたかったのですが、そこまで時間がなかったので、小さなモチーフに挑戦しました。
センスよく配置されたデザインを、そのまま使うこともできますし、ワンポイントとして一部を使うこともできます。
クロスステッチなので、刺繍をする生地は選ぶ必要がありますが、出来上がったものは額装してもいいですし、何かに仕立ててもいいですね。
使い方はそれぞれで楽しめます。
まとめ
期待を裏切らない一冊でした。
今回、日本版の編集・出版にご尽力された安田由美子さんをはじめ、多くの関係者の方に感謝します。
Mon imagier rétroは、見たくなったら図書館へ行くという方法しかなかったのですが、これでいつでも見ることができます。
一つを形にするまでに多くの時間が必要で、次々と作りあげることはできませんが、眺めたり作ったりと、今後、手元において使い込みたいと思っています。